【議員インタビュー】議会は、本会議だけじゃない。横山さんが2期目に目指す“深掘りする議会”

議員さんの活動内容がだんだん見えてきたぞ!

今回、ツワノバコがお話を聞いたのは、津和野町議会議員として2期目を迎えた横山さんです。

6月議会を終え、これから新しい4年間の活動が本格的に始まっていくタイミング。

横山さんが2期目で特に力を入れたいと話したのは、派手な政策名ではなく、議会の中身そのものに関わることでした。

それが、委員会活動の充実です。

本会議や一般質問は、ケーブルテレビなどで目にする機会があります。
でも、議会の仕事はそれだけではありません。

町の課題を深く調べ、議案を丁寧に審査し、行政の動きをチェックする場として、委員会があります。

今回は、委員会、議案付託、議会の情報発信、そして町民との対話について、横山さんにお話を聞きました。


目次

2期目で重視したいのは「委員会活動の充実」

議会の中で、もっと深く調べる場所。それが委員会なんだね。

横山さんが2期目で重きを置きたいと話したのは、委員会活動をもっと充実させることです。

津和野町議会には、総務経済常任委員会、文教民生常任委員会、広報公聴常任委員会などがあり、必要に応じて特別委員会が設置されることもあります。

本会議では、議案の説明を受け、質疑を行い、最終的に採決します。

ただ、限られた時間の中で、すべてを十分に深掘りできるとは限りません。

「この議案、もっと聞かないと判断できないのではないか」
「三問の質疑だけで終わらせていいのだろうか」

そう感じる議案が出てきた時に、委員会でさらに審査する方法があります。

それが、横山さんが話していた「議案付託」です。

「議案付託」とは何か

気になる議案を、そのまま採決せずに委員会で詳しく調べる仕組みだよ。

議案付託とは、本会議に出された議案を、常任委員会などに任せて、より詳しく審査してもらう仕組みです。

例えば、総務に関わる議案であれば総務経済常任委員会へ。
教育や福祉に関わる議案であれば文教民生常任委員会へ。

その議案について、会期中に委員会で調査や審査を行い、より深く内容を確認することができます。

横山さんによると、前期4年間の中では、実際に議案付託が行われることはなかったそうです。

過去に、給食センターの増額案をめぐって「これは委員会で調べた方がよいのではないか」という流れになりかけたことはあったものの、結果的には所管事務調査として先に調査が行われ、議案付託には至りませんでした。

横山さんは、今後必要な場面では、こうした仕組みを積極的に使っていきたいと話します。

委員会は、町の課題を深掘りする場所

一般質問だけじゃ見えない町の課題も、委員会なら追いかけられるかも。

横山さんは、町の運営や議案を調査することを考えると、本会議だけでなく委員会を充実させることが大切だと話します。

委員会には、所管する分野について調査する役割があります。

ただ、調査テーマの決め方や、その調査をどう深めるかによって、委員会の意味は大きく変わります。

「何を調べるか」をぼんやり決めるのではなく、町の課題が見えているから調べる。
そして、調べた先に「どうすればよいのか」という問いを持つ。

そうすることで、委員会は単なる報告の場ではなく、政策につながる調査の場になっていきます。

横山さんは、せっかく委員会で調査するなら、議会だよりでももっと丁寧に伝えるべきではないかとも話していました。

一般質問の内容が紙面でしっかり紹介される一方で、複数人の委員が調査した内容が短い報告で終わってしまうこともある。

本当に深掘りした調査であれば、特集記事にしてもよいのではないか。

そんな問題意識も感じられました。

今期の所管事務調査は「公営住宅」

町営住宅のこれから。暮らしにも移住にも関わるテーマだね。

6月定例議会を終え、今期の委員会活動も動き始めています。

横山さんが所属する総務経済常任委員会では、所管事務調査のテーマとして「公営住宅」が挙がっているそうです。

公営住宅とは、津和野町が管理している住宅のこと。

町内には複数の公営住宅があり、中には老朽化が進み、新しい入居者を入れず、現在住んでいる方が退去した後は空き家にしていく方針の住宅もあるといいます。

なぜ公営住宅を調査テーマにしたのか。

横山さんは、課題が見えやすく、新しく議員になった方にも委員会活動の流れを理解しやすいテーマだからだと話していました。

公営住宅は、町民の暮らしにも、移住にも、空き家対策にも関わってくるテーマです。

この調査が、どのような課題を明らかにし、どんな提案につながっていくのか。
ツワノバコとしても、今後の動きを見ていきたいところです。

文教民生常任委員会では「部活動の地域移行」も

子どもたちの放課後と、地域の大人の関わり方が変わっていく話かも。

横山さんが所属する委員会とは別に、文教民生常任委員会では「部活動の地域移行」が調査テーマになるそうです。

部活動の地域移行は、学校だけで部活動を支えるのではなく、地域の団体や指導者とも連携しながら、子どもたちの活動環境を考えていくテーマです。

横山さん自身も体育協会の会長を務めていることもあり、このテーマには強い関心があると話していました。

委員会は、町民も傍聴できる場です。

ただ、実際には委員会の開催情報が十分に届いているとは言いづらく、傍聴に来るのは新聞記者くらいということも多いそうです。

本会議だけでなく、委員会で何が話されているのか。

そこがもう少し見えるようになると、町民にとっても議会が身近になるのかもしれません。

議会のアーカイブ配信を進めたい

その時間にテレビの前にいなくても、あとから見られる議会へ。

横山さんが2期目で取り組みたいことの一つに、議会映像のアーカイブ配信があります。

現在、一般質問などはサンネットで放送されています。

しかし、その時間にテレビの前にいなければ見られません。
録画をしても、テレビの前でしか見ることができません。

もしアーカイブ配信があれば、寝る前にスマートフォンで15分だけ見ることもできます。

忙しい人でも、関心のある議題だけ後から確認することができます。

横山さんは、まずは現在サンネットで放送されている一般質問のアーカイブ配信から始め、将来的には本会議の議案審議、さらに進めば委員会まで公開できるとよいと考えています。

ただし、これは簡単にできることではありません。

サンネットの映像の権利、津和野町だけでなく吉賀町との関係、放送に関わる審議やルール、職員や執行部の肖像権など、整理しなければならないことが多くあります。

「早くやりたい」だけで進めて、途中でつまずいてしまえば、かえって実現が遠のくかもしれません。

だからこそ横山さんは、4年間をかけて、まずは現在放送されているものをアーカイブ配信できるところまで進めたいと話しました。

町民との接点は、SNSだけではない

スーパーで立ち話。ご飯屋さんで相談。政治って、意外と日常の中にあるんだね。

横山さんは、町民とのコミュニケーションについて、SNSや議会の座談会、タウンミーティングなどに触れながらも、日常の中で人に会うことを大切にしていると話します。

その代表例が、夕方のキヌヤ。

人が多い時間帯にスーパーへ行き、野菜売り場、魚コーナー、肉売り場、惣菜コーナーと回っていく。

すると、だいたい何度も呼び止められ、そこで立ち話が始まるそうです。

ぐるっと一周するだけで、1時間ほどかかることもあるとのこと。

また、昼食を町内のお店に食べに行くことも、町民の声を聞く機会になっています。

お店の方から「こうなっているけど、どうなの?」と声をかけられることもある。

議員としての活動は、会議室や議場の中だけではありません。

日々の買い物や食事の場も、町民の声を受け取る大切な接点になっています。

違う意見を、あえて聞きに行く

同じ考えの人だけで話すより、違う意見の中にヒントがあるのかも。

最後に横山さんが伝えてくれたのは、「違う考えの人とも対話した方がいい」ということでした。

議員はみんな、町を盛り上げたい、課題を解決したいという思いを持っている。

ただ、その方法や方向性が違うから、意見が合わないこともあります。

でも、考え方が違うこと自体は悪いことではありません。

むしろ、同じ考えの人だけで話すよりも、違う考えを持つ人が入ることで、新しい気づきやひらめきが生まれることがあります。

横山さんは、「ここに行ったら針のむしろだろうな」と思う場所でも、必要なら行くと話します。

そして、自分のことが嫌いな人にも、ぜひ話しに来てほしいと呼びかけました。

話が合わないから行かない。
意見が違うから聞かない。

そうではなく、違う話を聞きに行く。

この姿勢は、議員だけでなく、町の中で対話を増やしていくうえでも大切なことなのかもしれません。

タウンミーティングのあり方を考える

タウンミーティングは、議員が開くものだけじゃなく、町民が呼んでもいいんだね。

横山さんは、今後もタウンミーティングのような場をつくっていきたいと話します。

ただ、これまでと同じ形のままでよいのかは、考え直す必要があるとも感じているようです。

どこで開くのか。
どんな形にするのか。
どうすれば普段来ない人にも届くのか。

まだ考えることは多いと言います。

一方で、町民から「ここで話してほしい」と呼ばれたら、そこへ出向くこともできるそうです。

以前にも、地域から呼ばれてミニタウンミーティングのような場を開いたことがあるとのこと。

議会や行政の話は、遠くにあるもののように感じるかもしれません。

でも、声をかければ来てくれる議員がいる。
話を聞きに来てくれる人がいる。

そう考えると、町民と議員の距離は、思っているより近づけられるのかもしれません。


今回のインタビューで印象的だったのは、横山さんが「何を実現したいか」だけでなく、町の意思決定そのものを、どう深めるかについて語っていたことです。

町議会というと、どうしても一般質問や採決の場面が目立ちます。

誰が何を質問したのか。
どの議案に賛成したのか、反対したのか。

町民から見えるのは、そうした“結果”の部分が多いかもしれません。

けれど、横山さんが今回話していたのは、その手前にある「調べる」「問い直す」「もう少し深く見る」という議会の働きでした。

委員会をもっと充実させること。
必要があれば議案を委員会に付託し、三問の質疑だけで終わらせずに深掘りすること。
所管事務調査を、ただの恒例行事ではなく、町の課題に迫る時間にすること。

これは、単なる議会内の手続きの話ではありません。

むしろ、町の未来を決める判断の質をどう高めるか、という話だと思います。

どんな政策も、最終的には賛成か反対かを決めることになります。
でも、その前にどれだけ調べたのか。
どんな問いを立てたのか。
誰の声を聞いたのか。
他の選択肢をどこまで考えたのか。

そこが浅ければ、採決という結果もまた浅くなってしまう。

横山さんが言う「委員会活動の充実」は、議会をもっと仕事しているように見せるためのものではなく、町の意思決定をより本質に近づけるための提案なのだと感じました。

もう一つ大事だと感じたのは、議会を「見える場所」にしていこうとしている点です。

サンネットで放送されている一般質問を、後からスマートフォンで見られるようにする。
最終的には、本会議や委員会もアーカイブで見られるようにしていく。

一見すると、これは単なる便利機能の話に聞こえるかもしれません。

でも、そうではないと思います。

その時間にテレビの前にいられる人だけが議会を見られる状態と、仕事や子育てのあと、寝る前に15分だけでも議会を見られる状態では、町民と議会の距離が大きく変わります。

町で何が論点になっているのか。
どんな判断が迫られているのか。
自分の暮らしと、町の制度がどこでつながっているのか。

それを町民が知る入口になります。

つまり、アーカイブ配信は「情報発信」ではなく、町民が町政に関わるための基盤づくりなのだと思います。

一方で、横山さんの話には、とてもアナログな接点も出てきました。

夕方のキヌヤを歩く。
町内のご飯屋さんで昼食を食べる。
呼び止められたら立ち話をする。
事務所に来た人とは、仕事の手を止めてでも話を聞く。

これは、いわゆる効率のよい広報ではありません。

でも、津和野のような小さな町では、こうした日常の中にこそ、まだ言葉になっていない声があるのかもしれません。

アンケートには書かれない違和感。
会議では言いづらい本音。
「ちょっと聞いてみたかったんだけど」という小さな相談。

そうした声は、きれいに整理された場よりも、買い物の途中や食事のついでにこぼれてくることがあります。

議会を見える化するデジタルの仕組みと、日常の中で声を拾うアナログな接点。

横山さんの話を聞いていると、この両方が必要なのだと感じました。

そして、今回もっともツワノバコとして残しておきたいのは、横山さんの「違う意見を聞きに行く」という姿勢です。

同じ考えの人だけで話していると、安心はできます。

でも、町の課題はそれだけでは解けません。

公営住宅、部活動の地域移行、町民センター、公共交通、議会の見える化。
どのテーマも、立場によって見え方が違います。

だからこそ、意見が違う人を避けるのではなく、あえて話を聞きに行く。
「針のむしろ」だと分かっていても座りに行く。
嫌いな人にも話しに来てほしいと言う。

これは簡単なことではありません。

でも、町の中に必要なのは、全員が同じ意見になることではなく、違う意見を持ったままでも、同じ町について話し続けられることなのだと思います。

もちろん、委員会を充実させることも、アーカイブ配信を進めることも、対話の場を増やすことも、言うほど簡単ではありません。

仕組みを整えるには時間がかかります。
権利関係やルールの整理も必要です。
発信しただけで町民が関心を持つわけでもありません。

だからこそ、ツワノバコとしては、横山さんが語ったこれらのことが、実際にどのような形になっていくのかを見ていきたいと思います。

委員会は本当に深掘りする場になっていくのか。
議会の情報は、町民が見やすい形で届くようになるのか。
違う意見を持つ人同士が話せる場は、生まれていくのか。

議会は、遠くにあるものではなく、町の暮らしを決める場所です。

そして町民もまた、議会を見るだけの存在ではなく、声を届け、問いを持ち、時には議員を呼び、話し合いに加わることができます。

今回のインタビューは、議会を「誰かがやっているもの」から、「自分たちの暮らしとつながっているもの」へと捉え直すきっかけになるのではないでしょうか。


<参考:Youtube ツワノバコチャンネル>
Interview 横山元志さん|議会って、本会議だけじゃない。横山さんが語る“深掘りする議会”

https://www.youtube.com/watch?v=xj4HDEPsOFc

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